『勧善懲彼(かんぜんちょうかれ)迷惑な俺様彼氏』
気になった海渡さんと紫さんの方も、
すっかりうまくいったそうで。
「内緒っつってたのに、
海渡兄ってば、紫にしゃべっちゃうんだもんなぁ」
って、圭輔がぶつくさ文句言ってた。
「圭輔!
あの・・
ありがとう!!」
私はぺこんとお辞儀をした。
圭輔が機転をきかせてくれなきゃ、
私と陸渡は、こんな風に
付き合ったりできなかったよね。
あの夜、
陸渡がうちに来てくれたのも、
多分圭輔が何かしてくれたんじゃないか、って
そう思った。
意地っ張りな陸渡が、
自分から私に告白するなんて、
ちょっと想像できないもんね。