『勧善懲彼(かんぜんちょうかれ)迷惑な俺様彼氏』
圭輔は、
どういたしまして、と
小さく笑った。
「お礼に、今日は私がおごるよ!」
と言って、思い出した。
「あ。海渡さんにお金返さなきゃ!」
借金のこと、すっかり忘れてた。
よく考えたら利用されたんだし、
踏み倒すか?
って考えが一瞬浮かんだけど。
「あ、それなら返さなくていいって言ってたよ」
圭輔の言葉に、ますます返済能力の低い私は、
流されそうになる。
けど!
やっぱり返さなきゃね。