『勧善懲彼(かんぜんちょうかれ)迷惑な俺様彼氏』
「ちょ、ちょっと離してよ!」
「何照れてんだ。うれしいなら、嬉しそうな顔をしろ」
「誰が嬉しいってのよ!離してってば!」
私がじたばたしていると、陸渡が眉根を寄せる。
「てめぇ、これ以上暴れるとキスするぞ」
低い声を出した陸渡が、真剣な顔して私の体を引き寄せるもんだから、
ひ、ひええええ~!!!
思わず右手に持ったかばんで陸渡の顔を叩いた。
・・・だけのつもりだったのに。