『勧善懲彼(かんぜんちょうかれ)迷惑な俺様彼氏』
「俺、今から海渡んとこ行くから、
圭輔は七海を送れ」
「いいよ、近いし。
一人で帰れるよ」
「お詫びをかねて、
圭輔がお前を送りたがってんだよ。
なぁ?圭輔?」
「・・はい。
おくらせていただきます」
それはどうみても脅しであって。
私がお礼を言ったの、
こいつ聞いてたのか?
圭輔は、陸渡に言われるがまま、
ほんの少しの距離を
わざわざ遠回りしておくってくれた。
別れ際、
陸渡はあんな感じだけど、
ほんとに七海ちゃんのこと
マジだから、よろしくな、
って圭輔は言ってくれた。