『勧善懲彼(かんぜんちょうかれ)迷惑な俺様彼氏』
「陸渡。
お前、大人になったな」
感慨深げにつぶやいた俺に、
一言余計だ、って言いながら、あいつは自分の部屋へと向かった。
「なぁ、
今度の夏休みに、みんなで島に帰らないか?
海渡兄と紫と。
七海ちゃんと花音も連れてさ」
多分、根本的な解決にはならないんだろうけど、
前進するためには、
やっぱり家庭の事情ってやつをどうにかする必要があるわけで。
いつまでも逃げるなよ、ってメッセージを、
俺はこめたつもりだ。