『勧善懲彼(かんぜんちょうかれ)迷惑な俺様彼氏』
私が右手に持った鞄をよく見ると・・・。
あ、しまった!
鞄につけたアクセにうっすら血の跡がついている。
チャックが開けやすいようにって、花音とおそろいでつけたやつだ。
どうやらそれが、陸渡の頬にひっかかって、怪我したみたい。
「ごめん!」
陸渡がどんなに嫌なやつでも、怪我なんてさせるつもりはこれっぽちもない。
血を見て、ちょっと気が動転した私は、陸渡の血を拭こうと、
慌てて鞄からハンカチを出し。
けど、
後から考えたら、これが良くなかったんだよね。
陸渡をつけあがらせちゃったんだもん。