『勧善懲彼(かんぜんちょうかれ)迷惑な俺様彼氏』

私が右手に持った鞄をよく見ると・・・。



あ、しまった!



鞄につけたアクセにうっすら血の跡がついている。

チャックが開けやすいようにって、花音とおそろいでつけたやつだ。

どうやらそれが、陸渡の頬にひっかかって、怪我したみたい。



「ごめん!」


陸渡がどんなに嫌なやつでも、怪我なんてさせるつもりはこれっぽちもない。

血を見て、ちょっと気が動転した私は、陸渡の血を拭こうと、

慌てて鞄からハンカチを出し。


けど、


後から考えたら、これが良くなかったんだよね。

陸渡をつけあがらせちゃったんだもん。



< 39 / 404 >

この作品をシェア

pagetop