『勧善懲彼(かんぜんちょうかれ)迷惑な俺様彼氏』
「毎日この俺を待たせるとは、いい度胸だ!
だが、俺の心は、海よりも広い。この鞄を学校まで持つだけで許してやる」
私めがけて、放り投げられた陸渡の鞄を、ひょい、とよけると、何食わぬ顔で歩き出す私。
もちろん、鞄は、地面へぽとり・・。
「てめぇ!何しやがる!」
「はん!私はねぇ、生まれてこのかた、箸より重いものを持ったことがないのよ。お嬢なの!
あんたの鞄なんて持ったら、骨が折れちゃうでしょ!そうなったら、あんた、どう責任取るのよ!」
「嫁にもらってやる!」
「馬鹿じゃないの!それじゃあ罰ゲームじゃないのよ!」
「なんだとぉ~!」