『勧善懲彼(かんぜんちょうかれ)迷惑な俺様彼氏』

「毎日この俺を待たせるとは、いい度胸だ!

だが、俺の心は、海よりも広い。この鞄を学校まで持つだけで許してやる」


私めがけて、放り投げられた陸渡の鞄を、ひょい、とよけると、何食わぬ顔で歩き出す私。

もちろん、鞄は、地面へぽとり・・。


「てめぇ!何しやがる!」


「はん!私はねぇ、生まれてこのかた、箸より重いものを持ったことがないのよ。お嬢なの!

あんたの鞄なんて持ったら、骨が折れちゃうでしょ!そうなったら、あんた、どう責任取るのよ!」


「嫁にもらってやる!」


「馬鹿じゃないの!それじゃあ罰ゲームじゃないのよ!」


「なんだとぉ~!」












< 47 / 404 >

この作品をシェア

pagetop