『勧善懲彼(かんぜんちょうかれ)迷惑な俺様彼氏』
3人はすでに、駅で私を待っていて。
予想通り、陸渡は、500円玉がはさめそうなくらい眉間のしわをよせ、
鋭い目つきで私を睨んでるわけで・・。
きれいな顔の人間の怒った顔って・・迫力。
「ごめん!」
両手を合わせて、素直に謝る。
「ごめんですむなら、警察は要らないだろ。
今日は、1日俺の奴隷だ」
「なっ!?」
そりゃ、確かに私が悪いよ?
遅刻しましたよ。
皆さんを30分はお待たせしましたよ。
けど、けど、こっちにだって事情があって・・。
反撃の暇さえ与えられず、陸渡は改札を通っていく。
「お~い、待てよ陸渡!」
圭輔が続くと、
「七海、早く!」
花音が私の手を引いて、2人を追い掛ける。