『勧善懲彼(かんぜんちょうかれ)迷惑な俺様彼氏』
「じゃ、あとでな」
動物園に着くと、またしても陸渡がなぞな発言をする。
あとで?
・・何が?
「おう、じゃな」
意を汲んだように、圭輔は花音の手を引いて、去っていく。
花音は、心配そうに、私を一度振り返り、人ごみへと消えていった。
取り残される私たち。
「ぼけてんじゃねぇ。おら、行くぞ」
呆然と立ち尽くす私の手をとって、陸渡は歩き始めた。
なんで?
なんで2人きりなの?