『勧善懲彼(かんぜんちょうかれ)迷惑な俺様彼氏』
「なっ!」
「ちゃんとご期待に沿ってやるから、心配すんな」
「ご期待してません!」
力いっぱい否定する私との距離を詰め、陸渡は私の腰に手を回す。
「奴隷がご主人様にそんな口きいていいのかよ」
「言っとくけど、条件破ったら、即別れるからね!」
道行く人が、ちらちらと私たちを振り返って通り過ぎる。
端から見れば、昼間からいちゃついてるバカップルに見えるんだろうけど。