『短編集』
「ごめんね。
明日、病院行って来るよ。」
タツヤに嫌われたくなくて、
あたしは、
自分から口を開いた。
タツヤは、うつむいたまま、
何も言わない。
長い沈黙が流れたあと。
「・・マイ、お前、
俺のことどう思ってる?」
予想してない話の展開で、
あたしは、意味が分からない。
「どうって・・。
だって、セフレでしょ?」
お互い、片思いが辛くて・・
想ってる人の笑顔を見るのが切なくて・・
その笑顔が自分に向けられないのが
悲しくて・・
体だけでもいいから、
暖めあいたいって、
あたしたち、
ふたりとも、
そう思ってたんだよね。