『短編集』
ブランコのこげないあたしは あんなふうに たかくまで ゆれることはできない
・・いいなぁ
そらにちかくなった ゆなちゃんが うらやましくて あたしは こうたくんをみつめる
「ひーちゃんも おしてあげるよ?」
なにも いわない あたしに
こうたくんは ゆなちゃんの ブランコから あたしのほうへ うつってきて
あたしの せなかを ちからいっぱい ぐん って おした
「うわあ~!」
とたんに あたしの まわりのけしきは びゅん って すごいはやさで
うごいて あたしは とりになった