Spiral Love *桜の下でまた逢おう*
「お!実桜、起きたか?」
何事もなかったように明るい元の声は、もしかして昨日のことも覚えてないのかもしれないな、なんてかすかに思った。
「元、なんでこの番号・・・・・・」
「なんで、って昨日教えてもらったじゃねぇか。お前忘れてんの?」
明るく言われた言葉に、忘れてるのは私のほうなんだ、って自分でおかしくなった。
そんな私には構わず元は言葉を続けた。
「今日お前仕事休みだろ?ちょっと付き合ってくれよ」
「え?・・・う、うん」
相変わらず強引な元の言葉に引っ張られるようについ返事をしてしまった。
「よっしゃ。決まり。じゃぁすぐに降りて来い!」
「は?」
カーテンを薄く開けると、そこには携帯を持った元がこっちに向かって手を振ってるのが見える。
「強引・・・すぎるよ」
思わずつぶやいた私の言葉に、元は気にも留めない様子で、
「それが俺様だからな」
なんてにっと笑うんだ。