Spiral Love *桜の下でまた逢おう*

電話を切り、あわてて服を着替える。



なんか、こんな感じはすごく久しぶりで、



私は元の強引さを少し楽しく感じ始めていた。



何も考えずに、ただ動いてるこんな時間。



本当に久しぶり。



階段を下りると、



「よっ」



って手を挙げた元が私を見上げていた。



「元、いきなりすぎるよ。どうしたの?」



問いかける私の言葉に元はただ笑ってまぶしそうに見つめる。



トクン。



胸の音がかすかにしたのは・・・不意に思い出したから。


昔の甘い思い出を。


よく、彼がこうやって私を見つめてくれたその思い出を。



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