Spiral Love *桜の下でまた逢おう*
「実桜、お前寝すぎ」
元がぽんと私のおでこをはじいた。
「たっ。元が早すぎるんじゃん」
手でおでこを押さえ軽くにらむと、彼は眼を丸くして
「お前、今何時だと思ってるんだよ。もうそろそろお昼だぜ?」
「え?」
あわてて携帯の時計を見ると、
「うそ・・・」
確かに元の言うとおり。
あ、
部屋の時計が止まってたんだ。
よかった。仕事の日じゃなくて。
「相変わらずお前抜けてるよな」
「う~~・・・」
何も言わずにうつむく私に、今度は静かに元が声をかける。
「今、行ってきたんだ」