Spiral Love *桜の下でまた逢おう*

「え?」


元が顔を向けた方向で、彼の言ったことがわかった。



「ママ?」


「おばさん、俺の顔見て目を丸くしてたぞ。でも、元気そうでほっとしたよ。今度さ、おばさんに特製のカクテル飲んでもらう約束してきたから」


「元・・・・・・ママはアルコール飲めないってば」


くすっと笑うと、元は


「アルコールなくても、美味しいの絶対つくるから。体に超効くやつな」


「・・・・・・ありがと」


「おばさんが、今日ゆっくりしてきてこい、ってお前に伝えて欲しいって」


「ママ・・・・・・」



「さ!行くぞ!」


元が私の肩を叩く。


それで少ししんみりとした空気がぱっと切り替わったような気がした。


「どこに?」


「だから、着いてのお楽しみだって。とにかく行こう!」



本当に、強引だよね。


でも・・・・・


「うん!」



久々に出した私の嬉しそうな声を元は振り返ってにこっと笑った。



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