Spiral Love *桜の下でまた逢おう*

バスにのりこみ、元が今朝図書館まで一度行ったことを教えてくれた。



「休館日かよ、って」


「昨日、言ってなかったっけ?」


「言ってねぇよ」


たく、ただでさえ、苦手な場所なのに・・・



って元がつぶやくのがおかしくて、私はずっと笑ってた。



「お前、資格とるのに頑張ってる、って昨日の、藤さん?が言ってたぞ」


「うん。理由は色々在るんだけど、やっぱり資格あったほうがお給料助かる、っていうことが一番だったんだけど、最近は利用者の方がありがとう、って言ってくれるのを聞いてたら、生半可な知識じゃなくて、もっと関わって行きたいな、って思うようになったの」


元は続く私の話を黙ってうなづきながら聞いてくれてた。


ただ、本もためになるんだよ、っていう話のところは苦笑いをしてたけどね。



「さ、降りるぞ」


「え?ここ?」



バスが止まったのは、懐かしい場所だった。



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