Spiral Love *桜の下でまた逢おう*

「電話してあったろ?あれ、教えてよ」


連絡はしてあったらしいおばさんに、厨房の中に入ってなにやら話をしてる元を見ながら、私は学食の椅子や机を見渡した。



いつも、ここでみんなと騒いでた。


そう、このあたり。


私はそっと椅子に触れた。


そして、彼を待ってた。



ズキン、と胸が痛み出す。



元を見ると、まだ話は終わらない様子で、


私はそこにいるのも辛くて、学食から出た廊下の長いすに腰を落とした。



自分で決めたことなのに、

いつまでこんな苦い気持ちを持ち続けるんだろう。

いつになったら、笑って話せる思い出、になってくれるんだろう。



ため息をついて、手で顔を覆った、その時、


信じられない声が私を呼んだんだ。




思い出になんて、ならない・・・・・・




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