Spiral Love *桜の下でまた逢おう*

「ミオ・・・?」


懐かしいその声は、自然と私の心臓の鼓動を早めていく。


佑・・・。



なんで、ここに・・・?



佑は信じられない、というような顔をして座った私を見つめている。



「佑・・・」


かすれた声は、音にならず、私の唇を動かしただけだった。



固まった時間は永遠のように感じられたけど、



多分実際は数秒のことだったんだと思う。



「久しぶり・・・元気だった?ミオ」



佑がゆっくり歩いてくるのが、まるでスローモーションみたいに感じた。


私の名前を前と同じように呼ぶその声が、こんな状況なのに、ほんわりとした温かさで私の心を包む。



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