Spiral Love *桜の下でまた逢おう*
明らかに気まずいこの雰囲気の中に、
「佑くん!」
響いたのは、彼女の声だった。
川瀬雅さん・・・佑の婚約者。
彼女は、私もいることに気づくと、一瞬目を大きくしてそれからにこっと微笑んだ。
余裕の笑み?
私はなぜか、彼女の顔が見れなくて、つい顔をそらしてしまう。
「久しぶり!ミオさん」
「ミオ」と言う響きは、佑が呼んでくれるそれと少し言い方が似ているような気がした。
なんか・・・それが嫌だった。