Spiral Love *桜の下でまた逢おう*

雅さんは、さっと佑の隣にくっつくように座って、


「何?なにか思い出話でもしてたの?」



と佑に尋ねる。



そして彼の腕に自分の手を絡ませながら、言うんだ。



「来年の春、結婚することになったの。ミオさんも是非高校時代の友人として出席してくださいね?」



「高校時代の友人」というところを強調して言ってるように感じるのは、私の考えすぎなの?



「やめろよ」


佑がそう言いながら、彼女の手から自分の腕を引き抜こうとしていた。



「あら。なんで?ヒロさんや加奈子さんにも同じように来ていただくつもりよ?」


佑は少しうんざりしたような顔をして


「帰ろう」



と、一言だけ言って立ち上がった。



また・・・私の胸が痛み出す。


「帰ろう」という相手はもう私じゃない。


「佑!」


ふくれっつらをして彼を見上げる、雅さんのものなんだ。






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