Spiral Love *桜の下でまた逢おう*

普段は学校もあるし、もともとアクセサリーは苦手だから、



「つけないでくれ」って・・・。



やっぱり俺はひどい男だよな。



「今日出かけるんでしょ?」


朝起きたら、呼びもしないのに朝ごはんを作りに来た雅が、嬉しそうに手につけた指輪を眺めてた。


俺は感情もなくそれを眺めた。


光のあたり具合でキラキラ光るその指輪は、俺には毒々しい印象しか与えない。



もちろん、そんなこと。


雅の前ではおくびにも出さないけど。



「最近、佑くんなんか怖くなった、って評判だよ?」


車の助手席に座った雅がベルトを締めながら言ったのを聞いて、



何の評判だよ、って思う。


「マリッジブルーってやつ?」


お前が言うな、とも思う。



・・・俺は何をしてるんだろう。




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