Spiral Love *桜の下でまた逢おう*
「すぐ戻ってくる、って言ってたんだけどな・・・」
そう言ってヒロは、さっきの佑の様子を私に教えてくれたんだ。
走り回り、汗をかいて私を探してくれてたこと。
佑。
なにがあったの?
さっき、話をしてた時の彼と、会場を後にしていく彼の背中を思い出してた。
その時、不意にかけられた言葉に、私とヒロは同時に振り返った。
「佑さんは?」
元・・・。
「おい、そんながっかりした顔すんな・・・・・ヒロ、あっちでジュンがちょっと呼んでる」
「あ、おお・・・」
「いいよ、ヒロ。佑から連絡あったんだし」
私が言うと、ヒロはもう一度校門の方をちらっと眺めてから、学食へと歩いていった。
大きなため息が出る。
それと共に、消えていくかすかな希望。期待。
それでも、まだ、彼は来るって信じてる私は、
私は・・・
かなりバカな女だよね。
自分でも笑えるくらい・・・・・・。