Spiral Love *桜の下でまた逢おう*

「ひゃっ!!」



頬に熱い感触が触れて、思わず飛び上がりそうになる。



「ほら、これ飲め」



頬に触れたのは温かいマグカップだった。



それを差し出しているのは元。



「お前、ほとんど何も食べてないだろ?これ飲んで体あっためろ」



「あ、ありがと」



受け取り、手に包むと温かい湯気がふわっと浮き上がった。



「これ・・・」



「お前好きだったろ?ホットココア」



高校の時、よく飲んでたホットココア。


そうして彼を待ってた・・・・・・。



手先からじわじわと体にぬくもりが伝わるのを感じて、


私はやっと自分の体が冷えてたことにようやく気づいた。


感覚が・・・戻ってくる。



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