Spiral Love *桜の下でまた逢おう*
顔を上げると、元がふっと笑った。
「どんくせーんだよ、お前」
そうして、近づく元の瞳に、唇に、
わたしは静かに目を閉じた。
いいよ。
元。
元なら、きっと大丈夫・・・。
触れると思った唇は、一瞬その動きを止めて、唇の横に軽く触れただけだった。
元?
元はぱっと私から体を離して、歩き出すんだ。
「帰るぞ!実桜」
「え・・・あ、はい・・・」
ほんの少しのがっかりと、ほんの少し安心した気持ちと、
なんだか複雑な気持ちを両方抱えて、私は元の後に続いた。