Spiral Love *桜の下でまた逢おう*
周りを通り過ぎる人たちが、じろじろと俺を眺める。
でも、そんなことなんて全然どうでもいい。
俺はただ、呆然として、佑さんの去った方向を見つめていた。
そこへ、
「元!」
かけられた言葉。
振り返ると、少しまぶしそうな目をしたヒロと目が会った。
「ヒロ・・・」
「なに?なんかあったの?」
ヒロが笑いながら近づいてくると、周りで足を止めていた人たちがぱーっと散っていった。
「ごめん。佑まだ来てない?」
きょろきょろと見回すヒロに、俺はベンチに腰を下ろして、つぶやいた。
「もういい」