Spiral Love *桜の下でまた逢おう*

後ろ手にドアを閉めると、全身の力が抜けていくような感覚に襲われた。



佑・・・。



彼のあの日の決断。



佑。




「おい!実桜?」



ハッと気づくと、私の視線に見慣れた靴が映ってた。



目を上げると、私の顔を覗きこむ、元の顔。



「お前・・・・・・」



元にばれたくない、って思ったんだ。



何を隠したいのか、



もうその時の私には、そんなこと考えてる余裕すら欠片もなく。









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