Spiral Love *桜の下でまた逢おう*

「そうだ!模擬店、やったよね~」


「そうだよ!チエの奴、言うだけ言って手を貸さないんだからな・・・ま、あいつらしいつったらあいつらしいか」



「けど、学年でトップ賞とれたじゃん。元達ががんばったおかげだよ」



1年の時にしたミニ夜店でばたばたしてたことが、まるでこの前のことのように思い出される。



「元、ペンキがとれなくてさ、朝からずっと顔にペンキつけたままでチエに笑われてたよね」



「お前だって、いつも色気のない格好して」



「あ~~~!やっぱりそう思ってたんだ~~!!・・・いいけどさ」



はははっ、って笑いながら私のおでこをコツンとはじく元は



私の中の変なわだかまりをあっけないほどほどいてゆく。




でも・・・。



その時も、イタズラな運命の輪はまた回りだしたんだ。




「佑・・・・・・さん?」



私の肩越しに見つめた元の声に、私の体は一瞬に固まってしまった。


< 244 / 296 >

この作品をシェア

pagetop