Spiral Love *桜の下でまた逢おう*
「そうだ!模擬店、やったよね~」
「そうだよ!チエの奴、言うだけ言って手を貸さないんだからな・・・ま、あいつらしいつったらあいつらしいか」
「けど、学年でトップ賞とれたじゃん。元達ががんばったおかげだよ」
1年の時にしたミニ夜店でばたばたしてたことが、まるでこの前のことのように思い出される。
「元、ペンキがとれなくてさ、朝からずっと顔にペンキつけたままでチエに笑われてたよね」
「お前だって、いつも色気のない格好して」
「あ~~~!やっぱりそう思ってたんだ~~!!・・・いいけどさ」
はははっ、って笑いながら私のおでこをコツンとはじく元は
私の中の変なわだかまりをあっけないほどほどいてゆく。
でも・・・。
その時も、イタズラな運命の輪はまた回りだしたんだ。
「佑・・・・・・さん?」
私の肩越しに見つめた元の声に、私の体は一瞬に固まってしまった。