Spiral Love *桜の下でまた逢おう*
佑は、「じゃぁ」と手を挙げて、校舎の影に消えていった。
しばらくその方向から目を離すことが出来ずに、私達はただ黙って立ちすくんでいたんだ。
「実桜・・・ごめんな」
ふいにかけられた元の言葉になぜか私の目から涙がこぼれだす。
「ごめん」
なんで謝るの?
でも、涙が止まることなく流れていく。
私はただ首を横に振って元の胸に顔をうずめた。
元はそんな私の頬を両手で包んで、顔と顔をあわせた。
「実桜、俺と結婚してくれる?」
元・・・。
そんな私をもう一度優しく引き寄せて、元は笑ったんだ。