Spiral Love *桜の下でまた逢おう*

瞬間、湧き上がる気持ちを抑えられなくて。



気づけば、俺のこぶしが元を殴り飛ばしていた。



この前とは逆だ。



キャ~と悲鳴が起きる。



「なんだよ。それ。お前が実桜を幸せにするんだろ?そう言ったよな?」



元はあの時の俺のようによろよろと立ち上がると


「いてぇんだよ・・・」


と口の中からつばを吐き出した。



まだ握られたこぶしがじんじん痛むけど、それより、なんでだよ、という気持ちのほうが大きくて俺は元をにらみつけた。



「だからさ・・・もう面倒くさくなったんだよ」



ガッ!


二度目のパンチも元にヒットする。


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