Spiral Love *桜の下でまた逢おう*

「へぇ~」



一口お茶を飲んで、俺は思わずため息をついた。



「お前、お茶もいれられなかったのにな。うん。すげー美味いよ」



「本当?」



そうやって笑う実桜の顔はとても嬉しそうだった。



「おばさん・・・・・・長いよな・・・」


「うん・・・でもかなりよくなったんだよ?」


「いつから、あの病院に?」


「・・・今年の夏ごろ、かな」


「そっか・・・」


「あ、でも。これは誰にも言ってないから。絶対に誰にも言わないで、私達がここにいること」


「あ?」


なんで、隠す必要があるんだよ。


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