Spiral Love *桜の下でまた逢おう*

「ま、あれだ。男と女の関係なんていろいろあるからな。実桜がその・・・」


くそっ、なんだか言いづらいぞ。



「佑さんと別れたくなったって、それはおかしくないことだ。

うん。ありえる、かもしれない」


実桜はただ黙って聞いていた。


そして、なんとなく、体から少し緊張がとれたように、肩を降ろしたのが、わかったんだ。


だけど、その時の俺にはただ実桜が観念しただけにしか感じなかった。



本当は、もうひとつの大きなウソをお前がついてるってことに、


その時は気づきもしなかったんだ。




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