Spiral Love *桜の下でまた逢おう*
俺は、疑いもしなかったんだ。
実桜が佑さんと別れた事実を。
実桜の肩越しに見えた、壁に貼られた小さな桜の写真が妙に目に焼きついて、俺はいつしか言葉をとめた。
そして、新しい言葉が俺の口から漏れる。
「おい・・・実桜、お前本当に佑さんと別れたかったの?」
瞬間、再び彼女の体がぴくっと動いて、緊張が体を固くさせていくのがわかった。
「実桜?もしかして・・・お前わざと?」
彼女はいきなり立ち上がると、
「元、お茶お代わりする?」
必死で話題を変えようとしてるのは、
俺の動物的直感がほぼ当たってる、っていうことを明らかに示してるように思えた。