Spiral Love *桜の下でまた逢おう*

まだ俺の湯飲みにお茶が残ってると分かると、



実桜はそれでも所在無げに立ち上がったまま座ろうとせずに台所へ背を向けた。



俺は、さっきの桜の写真の下に、伏せられた写真立てがあるのに気づいて、



そっと立ててみた。



もう何があるのか、なんとなく想像はつくけど・・・



あぁ、やっぱり。



そこには、幸せそうに笑いあう佑さんと実桜の姿があった。




「実桜・・・お前、なんで別れた?まだ・・・好きなんじゃないのか?あいつのこと」


「違う!」



叫んだ彼女の声は、静かな部屋に吸い込まれていく。



「嫌になったの。飽きたの。だから別れたの。それだけ・・・」


実桜は流れるように、けど必死に言葉をつなげていく。


それが逆に今自分が口に出してる言葉を否定しているようにも、見えた。




実桜・・・何があったんだ?



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