アメ玉

「はい、もしもし」
出たのは健ちゃんだった。

「あ、もしもし。
 1年5組の宮下と申します。
 こんばんわぁ。」

声が震えた。

「あぁ。」
健ちゃんはアタシだと
分かってくれたみたいだった。

「健ちゃん。今ヒマ?」
「うん。まぁ。」
「じゃぁ、話すね・・・。」

アタシは息を大きく吸った。

「結局アタシ、
 健ちゃんの好きな人
 分かんなかったじゃん?」
「うん。」
「だから、まぁ最後に、
 アタシの好きな人を
 健ちゃんに
 教えたくなってさぁ。」
「うん。」
「アタシの
 好きな人はね・・・・・」

勇気を振り絞った。

「・・・健ちゃんなんだよ」


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