アメ玉
始業式
始業式当日。
昨日のことは
しっかり切り替えた。
アタシはもう、
2年生になっていた。
「あっ!
クラス貼り出されてる!!」
クラス発表の紙の周りには、
たくさんの人だかりが
出来ていた。
人を掻き分けて前に進む。
「宮下莉仔、宮下莉仔・・・
あっ!!あった!!!」
2年2組だった。
2組には、仲のいい子もいて、
安心した。
ふと、
隣の紙に目を移す。
2年3組 秋野健斗。
健ちゃんは、
隣のクラスだった。
後ろを見ると、
人ごみの中に
健ちゃんを発見した。
切り替えたはずなのに、
健ちゃんを探してしまう癖は、
まだ抜けない。
健ちゃんは、
アタシに気づいていないようだった。
これで最後。
そう決めて、
健ちゃんを見つめた。
愛しいその顔は、
一生忘れる訳がない。
そう思った。