Black world sky
第一章
 俺様はいつからここにいたのだろうか。

 場所はどこかの神殿の内部のようだ。それにしてもおかしい。この神殿、まるで時間が止まってしまったかのように静かだ。

 辺りには俺様以外には誰もいない。目の前には大きな鏡しか無い。

 しかも…俺様は勇者のコスプレをしていた。

 この格好…他人に見られたりでもすれば一生の恥だ。

 早くここから逃げよう…


「待って」


 俺様が逃げようとすると、急にどこからか可愛い少女の声が聞こえてきた。


「だ…誰かいるのかっ!?」


 この状況…非常にマズい!早く逃げるか隠れるかしなくては!

 俺様は近くにあった柱の後ろに隠れた。

 …俺様が柱の後ろに隠れると、声の主らしき人物が出てきた。声の主は自分と同い年ぐらいの少女だった。

 少女は疑わしそうに辺りを見回す。…そして、俺様の隠れている柱を見てニンマリと笑う。


「無駄よ。アレフィー・シュイア」

 
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