Black world sky
「…と、言う訳だ」


 気付けば10分ぐらい女神の悪口を言っていた。だが、メグは何の嫌そうな顔をせずに、時々相づちを打ちながら真剣に話を聞いてくれた。

 メグは俺様が話し終わったのを見ると、同情するかのようにこう言った。


「アレフィー君も色々と大変なんだね…」

「まぁな。…で、何でこんな話を俺様に聞いたんだ?」


 メグはおどおどしながらこう言った。


「だって…最初アレフィー君に会った時は、勇者じゃなくて大魔王の化身だと思ってたもん…」


 魔王を越えて大魔王…


「俺様も一回自分が魔王になって女神を殺そうかと思った事がある。…ってか、そのつもりだ」

「え…」


 メグの顔が曇る。


「冗談に決まってるだろ。…半分本気だけど」

「そっか…」


 メグは微妙な顔をしてそう言った。実を言うと、半分ではなく全面的に本気だ。

 
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