Black world sky
「私は女神なの」


 少女は桃色の長い髪を手で触りながらそう言った。

 この少女は頭がおかしいのだろう。俺を誘拐してコスプレさせた時点でもう終わっている。


「今までずっと退屈でね、何か面白い事をやってみたくて。…それで一回だけ魔王と戦ってみたいの」


 じゃあ、俺様を一々呼び出すな。そんな女神ごっこは1人でやれ。


「でも私はこの神殿を離れられないからさ…だから人間の中から1人勇者を選んで、異世界から魔王を連れて来てもらおうと。その勇者に選ばれた人間が、あんた。アレフィー・シュイアなのよ」

「…は?」


 勇者とか魔王とか訳分からないんですけど。俺様が選ばれた人間?確かに俺様はそこら辺のクズどもと違って希少価値は高いけどな。

 
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