Black world sky
第二章
 テスティングを唱えた後、俺様とメグは草原にいた。

 空がどこまでも青く、時より吹く春風が心地良い。前の世界では腐敗した大地を歩いていたので、その分のギャップもあり、平和な世界に見えた。


「スヴェンのみんなにもこんな景色を見せたいなぁ…」


 メグがそう言って空を仰ぐ。どことなくその横顔は切なげに見えた。


「しばらく経てばスヴェンだって元の姿に戻るだろ?だから心配するな。お前は今の自分の立場を考えろ」

「そう言えばそうだね」


 メグは困ったように笑った。




 俺様とメグはこの場所にずっと留まっても何も始まらないので、とにかく草原を歩く事にした。まだこの世界の名前も分からないしな。


「ねぇ、あの人…」


 草原を歩いていると、向こうの方に旅人らしき男がいるのが見えた。コイツにこの世界の名前を聞いてみるか。

 
< 48 / 79 >

この作品をシェア

pagetop