Black world sky
「まだ私が女神だと分からないのね。良いわ。私の実力を見せてあげる」


 そう言うと、少女は右手を上げた。


「雷の雨を降らせろ…サンダーレイン!」


 すると、急に上から雷のような物が落ちてきた。それも雨のように次々と


「うぉっ!危ねっ!」


 俺様は雷をスレスレでよけていった。

 少女はその様子を楽しそうに眺める。


「さすが勇者。私が力を与えただけある…」

「分かったから早くこの雷を何とかしろ!お前が女神だという事も俺様が勇者になってしまった事も認めるから!」


 そう叫ぶと雷はピタリと止まった。


「ようやく認めてくれるんだぁ…」


 …やれやれ。コイツと一緒にいると疲れる。


「でも異世界に魔王を探しに行くのは断るからな!」

「…どうして?」


 女神が悲しそうな顔をして俺様の顔を覗く。

 
< 5 / 79 >

この作品をシェア

pagetop