Black world sky
「きゃっ!ちょ…ちょっと!何やってるの!?」

「何をやった訳でもない。ただ、お前が俺様の攻撃を避けれるかどうかを、命の保証無しに確かめてやっただけだ」


 メグの顔は引きつっていた。

 でも、あの不意打ちともとれる攻撃を見切るなんて…

 俺様も素早さには自信があるのだが、メグに傷1つ付ける事も出来なかった。さすが盗賊だ…


「…取りあえず話を戻すね。盗賊は威力は弱いけど素早い攻撃も得意で、重戦士が相手でも長期戦になれば、どっちが勝つのか分からないんだって。でも短期戦はどんなジョブとも不利みたい」


 つまりは、長ったらしい戦いをする時は全部メグに押し付けておけば良いんだな。

 盗賊か…俺様はメグをジーッと見る。


「ど…どうしたの?」

「盗賊ってカッコイいなー…って」


 メグはそれを聞くと、静かにこう言った。


「アレフィー君、もしかして盗賊がうらやましいんじゃ…」

「うらやましい訳ないだろう!」


 本当は超うらやましいけど!勇者からジョブチェンしたいぐらいうらやましいけど!

 
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