幼なじみは先生
『いーから、早く』
うっ!
あたしはいっくんの言われるがままにいっくんの背中に乗った。
そして、いっくんが立つ。
『お前、軽いなー!』
「ふん!どうせチビですから!」
いっくんは笑う
でも、悲しそうな顔をしている。
「いっくん、どうしたの?」
『ごめんな』
「へっ!?あっ、別にあたし、背低いの好きだよ!」
あたしは焦った。
だって、いっくんが5年ぶりにあたしに誤ったから。
あれはたしか…
あたしが11歳の時…
「いっくん!見て見て! この桜の木はね、願い事が叶えられるんだよ!」
その頃、いっくんは中学生だった。
『すげーな!』
「うん♪」
『願い事ってどうすれば叶うの?』
「えーとね、紙に願い事をかいて、その紙をこの桜の木に結べば叶うんだよ!」
『へぇ、でも俺今紙とペン持ってねーや』
「あっ!そっか、あたしも持ってなかった!」
『んー、じゃぁ、俺ん家近いから紙とペン持ってくるから真白は大人しく待ってろよ?』
「うん!」
あたしが返事をするといっくんは走っていった。「早くこないかなぁ〜」
あたしはそう呟いて桜の木を見上げた。
すると、見知らぬ手があたしの肩に手をのせた。
え?
いっくん?
あたしはそう思い、振り返る。