幼なじみは先生


『おはよう、みんな』

と、いっくんの一言。

次は名前を呼ばれる…

『相坂 欄』

『赤口 楊』

次はあたし…

『伊藤 真白』

あたしは少し声を震わして小さく返事をした

バクバクと心臓が弾む

いっくんの視線が痛い程に伝わる

その時、隣から声がした
『なぁ、今日暇?』


「え?あ、うん。部活ないし」


連を見て話す

『今日さ、一緒に映画行かねえか?』

えっ…?

『なんか昨日家にいとこ来てさ。んで、映画の無料チケット余ったから誰かと行ってこいと…』

そう言うと連は黙った

「何て映画なの?」

『んー何か、"夜空の下で君と"っつーやつ』

それって今話題の恋愛映画じゃん!

瞳がキラキラと光る

今金欠で行けなくて諦めていたのに今!無料チケットですと?

「い、いきたいっ」

にやける口元を両手で雇う

『おう。じゃ、今日な』
そう言って連は少し微笑んでから黒板に瞳を移した
< 131 / 402 >

この作品をシェア

pagetop