幼なじみは先生


「だっ大丈夫!!」

『それならいいけど。じゃ、行くか』

そう言うとあたしの手をぎゅっと握った


それに口元が歪む


やっぱり、いっくんの手の中は少し冷たい

心地いいな…

なんて思いながらあたしもぎゅっと握り返した

「ん…?待てよ」

足を止める

『ん?真白どうした?』
そんなあたしにいっくんは不思議そうにあたしを見た

「今、思ったんだけどお母さんってあたし達のこと…」

冷や汗が頬を伝う

あの人にバレると絶対に冷やかされて質問詰めに決まっている

どうか知ってませんように…!!

あたしは心の中で何回も手を合わせて祈った

『ああ、知ってるよ』

…………………今回二回目の撃沈

そ、そんなっ…

そろーっと目をリビングのドアにやる

「な、何やってるのお母さん!」

ドアの隙間からはお母さんの瞳がこちらをしっかりと見ていた

怖いわっ!

「いっ、いっくん行こう」
あたしはそう言うとヒールが少し高いパンプスを履いていっくんと外に出た

あ、危なかった…!!
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