幼なじみは先生
「ごめんね、いっくん。お母さんが…」
『別にいーから、よし行くぞ』
そう言うといっくんは白いワゴン車の前まで行き
『入って』
と言うとあたしを車に乗せてドアを閉めてくれた
そうしていっくんも乗る
「ありがとう、いっくん!」
あたしはそう言って微笑んだ
あれから10分経過…
車内は今流行りの歌が流れている
あたしは窓の外を見ていた
シーン…
き、気まずいっ
そう思ってもなかなか言葉が出ない
何を喋っていいのだろうか…
あたしはちらっといっくんを見た
トクン…と胸が弾む
運転をするいっくんの真剣な瞳に吸い寄せられる
『何?真白』
その言葉でハッと我に返る
「え、あっと、何でもないです」
つい、敬語になってしまった
そんなあたしに笑い出した