幼なじみは先生
すると、いっくんと目があった。
ビクッ
私は泣きそうな顔を見られたくなかったので、いっくんから目を反らした。
『伊藤』
「…はい」
『この資料、資料室に持っていってくれ』
「はい」
いっくんから資料を渡され、資料室に持っていった。
ガラッッ
「いっくんのバカやろー」
いっくんのバカ…!!
冷たくしないでよ!
いっくん、他人の振りなんて、いやだよ?
だってあたしはいっくんが初恋で今でも誰よりも好きなんだよ?
「ウッ……ヒクッ」
ガラッ
ビクッ…
ぎゅっ
えっ?
この匂い、もしかして………………。
「いっくん?」
あたしはそう言って後ろを向いてみた。
「やっぱり、いっく…じゃなくて先生」
『"いっくん"でいい』
「へっ?」
『はぁ、だから2人きりの時は"いっくん"でいいって言った』
「ありがとう…いっくん!」
『ってか、お前、さっき泣いてただろ?』
「えっ!
なっ泣いてなんかっ!」
『資料室から泣き声
聞こえた』
「だっだって、いっくんが」
『"いっくんが"なに?』
「冷たいんだもん!
すっごく他人見たいな感じだし…」
あたしがそう言うといっくんがあたしのおでこにkissをした。
ドキンッ
「なっ!いっくん///」
たぶん今あたしの顔は茹でたこより真っ赤だと思う。
ドキドキ
心臓が脈をうつ。
あわわわ〜!!///
すると、いっくんが口を開いた。
『バカか?学校にバレたりしたら大変なことになるんだぞ?』
うっ!
「でっでもぉー」
『家だって隣りだろ?』
「はい」
『ワガママだな、真白は』
「いいもん」
いっくん?
ワガママでごめんね。
でもね、あたし、いっくんを好きになるほど、ワガママになっていくんだ………。
なんでだろうね。
大好きだよ、いっくん。
。