幼なじみは先生
あたしと目が合うと瞳を背けて歩き出した
ズキン…
ゴミ袋を持つ手に力を込める
「タ‥タバコ吸っちゃいけないんですよ!」
息を整えて返事を待つ
『ああ』
靴の音が止まり、いっくんがまだいることがわかる
「映画の、練習‥何でこないんですか‥」
震える口調を必死に隠す
『……』
無言のままの彼。
「あたしの…せい?」
『……違ぇよ』
ポツリと話すいっくん
「嘘。あたしのせいだ。」
『そんなこと…』
いっくんの方にくるっと向く
「じゃあ、何で…目を逸らすの…?」
泣きそうになりながら彼の背中に歩み寄る
「…練習、きてください。あたしのことは、気にしなくていいから!けど…」
あたしは貴方が好き…
その言葉を封じ込めてあたしは彼の背中に人差し指で
"すき"
となぞった