幼なじみは先生


静かな車内に流行りのバラードだけが流れる


<好きなのに言えないの。君に伝えたいけど迷惑かかるから…♪>


歌詞が少しあたしに当てはまる


好きなのに…言えないか

いっくんの横顔を見つめる


「ねぇいっくん」

『んー?』

「好きな人、いる…?」

ハッとして口をつぐむ

自然ともれた言葉

最悪…こんなこと言うつもりなかったのに…

チラリといっくんの方をバレないように見てみる
困った顔をしてる彼

『…さぁどうかな?』

怪しくニヤリと口角を上げてチラッとあたしを見つめて頭をクシャッと撫でられる
「わ…」

片目を瞑って撫でられた頭を触る

"どうかな?"か…

ねぇいっくん、あなたの心は誰を思って誰を見ているの…?

もしかして…あたし?
…なんて妄想だけど…

バカなことを思い浮かべながら窓の外を見て景色を眺める

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