幼なじみは先生



暗い空気の中、ラーメンをおぼんに乗せ、店員さんが運んできた


「オリジナルラーメン一つと醤油ラーメンです。では、ごゆっくり。何か不安がありましたらお呼び下さい」


そう言って戻って行く


「はぁ…」

あんな事…言わなければ良かった

そしたら、こんな雰囲気にならなかったのに

なんて反省しながらラーメンを自分の元に寄せて割り箸を割る

パキン…

一口、ラーメンの麺を口に運ぶ

「おいし…」

つい、小声で言葉をもらしてしまった

バレてないよね…?

恐る恐る上目でいっくんを見てみる

いっくんはラーメンを食べる最中…

良かったぁ…ひとりで笑みなんか浮かべてたら可笑しく思われるし

肩の力を抜いて麺を口に運ぼうと口を開けた時、先に何か入ってきた

モグモグ…

つい歯を動かしてしまう
へ…?

顔を上げると笑みを浮かべながらあたしを見つめるいっくんがいた

ドクン…

『美味いだろ?これ』

自分のラーメンに目をやってまたあたしに微笑むとあたしの口に入っていた割り箸を抜く

今…

何がありました…?

思考回路が停止する
< 291 / 402 >

この作品をシェア

pagetop